嗤う





















「スコール、俺の恋人になれよ」

「断る」







美人だったし、何となく気に入ったから

迫ったら、振られた。

























二週間

























言い寄っても一向になびかねぇもんはつまらねえ。

スコールよりいい女を見つけたから、


やめた。





気に入ったのも顔だけだったし、



別にどうでもいい。

























三年

























必然的にガーデンを辞めてぶらぶらしていた俺の耳に

とある噂が舞い込んだ。


「…バラムガーデンの指揮官が任務で失敗…」

「…味方の裏切り…」

「…顔面に大火傷…」

「…片足切断…」






ムカついた。








裏切ったそいつをつきとめようとして、

いい所まで行って、

やめた。







飽きた。







もう結婚も出来ないだろうと言われるスコールを、

俺を振ったバチが当たったとせせら嗤って




心底、








満足した。

























一年

























スコールに恋人が出来たと聞いた。

一緒に暮らしているのだと。










ガーデンに立ち寄る振りをして男を見に行った。


そいつは件の事件とも関係ない

本当に脈絡なく現れた男で


そつがなく、

刃物のような眼と

一人前の男の顔をしていた。


スコールには会わなかった。

























二ヶ月

























何となくその男に女をけしかけてみたら

面白いようにひっかかった。


スコールは男の部屋を出て、ガーデンの寮に戻ったと聞いた。

























一週間

























スコールがガーデンから失踪した。

あの身体でどうやったものか。



噂では

自殺しただとか


心変わりした男を恨んで山奥で呪っているだとか。




馬鹿か。

あいつはただの人間。

魔女なんかじゃねえし。





馬鹿らしい。

























二年

























変な組織に関わったのがケチのつき始め。

いかがわしい仕事に手を染めすぎて追い詰められた。





何ともはや。

俺を始末するために派遣されて今俺に剣を向けるSeeDは

スコールの元恋人のあの男で、


そいつが持ってるのはスコールのガンブレード。












ムカついた。
















「ギィン」






振り上げたガンブレードを弾かれて、

スコールが戦場に立てなくなったあの日以来







俺もガンブレードを振るったことがなかったことに気づいた。

























一瞬後

























ガンブレードの切っ先が風の唸りを上げ


振り下ろされるのを見て








































俺の中であの日のスコールが嗤ったような気がしたから



































俺も















笑った。






























……スコール……














































































2001.12.24

ああーまたしても書いてしまった
これぞ超問題作。
多くのサイスコファンのみなさま、すいません……。
つーかサイハーさんファンの方、もうしわけな……ゴフッ。

このサイハーさん、すげぇイヤな奴だわー。
勿論モチーフはあるのですが。

HP開設前から形にしたいとは思っていたのですが、
まさかこんな直球で書く日が来るとは
思わずに〜いたぁ〜♪(混乱)





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