俺はスコールが嫌いだ。




















メロウ



























スコールを抱くようになって…もう、3ヶ月近く経つだろうか。
きっかけは、単なる興味本位だった。
スコールを部屋に引きずり込んで、無理矢理犯した。

まさに強姦。そりゃあ酷いモンだった。
抵抗するのを殴りつけて、縛りつけて。
無理矢理突っ込まれたスコールは泣き叫んだ。
暴れて、ワケがわからなくなる位ぐちゃぐちゃになって「殺してやる」と何度も何度も。



なのに、それから数ヶ月経ってスコールは俺に「好きだ」と言って来た。
「コイツ頭おかしいんじゃねえか?」それが率直な感想だ。
普通そんなこと言えるもんだろうか。

それでも見たこともない位しおらしく俯いて
「抱いてほしい」と言ってくるスコールを拒否する理由はなかった。

それ以来…ことあるごとに、スコールを抱いている。




スコールを抱くのは好きだ。
払っても払っても寄ってくる女共よりも強烈な刺激を味わえる。
他の誰よりも相性がいいとすら思う。
スコールを前にするだけで簡単に欲情出来るのを知っている。


だからといって、スコールが好きな訳じゃない。

スコールはそうでもないようで、部屋に入り浸って来るし、
廊下で目が合った瞬間、鋭い視線がふと緩むことにこの間気がついた。


スコールは俺と恋人同士のつもりでいるらしい。



こいつはバカか?








「…イ、ファー?」


ベッドに組み敷いたスコールの震える声で、現実に呼び戻された。


「何…考えてた?」

「………」


うつぶせの状態から見上げて来るスコールの問いを無視し、
答える代わりに止めていた動きを再開させてやると、


「ッあ!!……っ」


びくり、と肩を震わせてスコールはシーツに額を擦りつけた。
初めての時はかなり痛がって泣き喚いたが、
何度も何度も繰り返し抱いた身体は、今やもう痛みすら感じなくなっているらしい。
軽く突き上げるだけで過剰に反応を示す。
どんな刺激でもいとも簡単に狂う。

……いい身体だ。




「んっ、…あ、はぁっ……!」


体重をそのままぶつけるようにして突き上げるとその度にスコールは声を上げ、大きく頭を振った。
シーツをつややかな髪が叩き、ぱさぱさと乾いた音を立てる。
……こんな時でさえ、柔らかそうにふわふわと舞う髪。
それを見せつけられて、苛立った。


「…スコール…」


名前を囁いてそっと後頭部を撫でると、苛立ちを隠そうともせずその髪をわし掴む。


「うっ!……ぐ」


不意に喉を反らされて、スコールが呻く。
そのまま何度か腰を叩きつけると白い背中が激しく痙攣した。


「あッ、サ…イファ…はなせ…っ」


細い呼吸の下からスコールが言葉を絞り出し、髪を掴んだ手に震える細かい振動が伝わって来る。
それに満足して手を放してやり、スコールが上体を崩れさせるその瞬間を狙って思い切り突き上げると、


「ぅあっ!…あ、あぁあッ!!」


思った通りの高い声が迸った。
頬をシーツに押しつけて荒々しく息と喘ぎを吐き出すスコールの、その横顔を堪能する。
押し込む度にずり上がって逃げようとする身体を、腰を押さえつけて、より深く穿つ。
……そろそろ自分にも限界が来ていた。


「うっ…あ!サイファ…!!」


名を呼ばれ、掠れた声を上げるスコールの上気した顔に目を向ける。
快感と羞恥に染まった頬と、生理的な涙に潤んだ眼を見て、
苦い気持ちが胸を占めた。


自分に蹂躙されている時のスコールは昼間とはまるで違く、この眼に映る。

自分と比べると華奢な腕。

染み一つない白い肌。

柔らかい髪。

震える長い睫。


その全てが───何故か特別に、他の人間とは違うようにこの眼に映る。


だから、ぶち壊したくなる。

無理矢理突っ込んで、掻き回して。内側から。

ぶち壊したくなる。


それでも、自分に犯されるこの身体は、
そんな感情をぶつければぶつける程
追い上げて、追い落とす度に、
より特別に見えて行くだけで。



……今ではもう、抱いていない時でさえ、そう見える。



眼に映るスコールの全てが、特別に見えて
じくり、と胸に厭な痛みが走る。
だから余計に、ぶち壊したくなる。
思い切り、汚したくなる──。



そんな凶暴な衝動にまかせてスコールの腰を両手で固定し、
最後の追い上げにかかった。


「うっ、あ……!──っ!!」


スコールも限界が近いのか、内部の締め付けがきつい。
少しでも気を抜くと自分が危ないのが解っているから、奥歯を噛み締めた。


「あ!ぁ、あっ…くぅ……」


激しく身体を震わせて組み敷く身体が枕を掴みつける。
その手首を掴んでシーツに押しつけると、汗で濡れた皮膚の感触に恍惚とした気分になった。



「サイファ…ッ!もう……!!」

「…はっ、スコール…いいぜ……」


名前を呼び、大きく頭を振るスコールの一度も触れてやらなかった場所を握り込む。
そしてそれを軽く扱くと同時、


「ッ!あ、ああッ……!!」


全身を引き攣らせて先に達したのはスコールだった。


「……っ!くっ…」


スコールが抑え切れずに迸った声が甘く耳に響いて、その声と、痛い程圧迫して来る内部に導かれ
耐えられずスコールの中に欲望をぶちまけていた。





「ん…、ふぅ……」


呼吸を整えようと全身を弛緩させているその背中にゆっくりと覆い被さり、
その耳元で囁いてやる。


「……愛してるぜ」


そうすれば、スコールは喜ぶ。
単純だ。


案の定スコールは顔を上気させて満足そうな笑みを返して来た。
その笑みを見て、確認する。
スコールの方が自分に狂わされていることを。
自分は普通で、ただひたすらに狂って行くのはスコールの方なのだと。


















心地よさそうに眠りに落ちたスコールの寝顔を眺めながら、眼に映る全てを苦々しく思う。


スコールは綺麗だと思い、
スコールの身体に必要以上に欲情する自分。

それでもこいつが好きな訳じゃない。



それどころか、こんな風に頭の中を乱すスコールが憎い。




自分を見て緩む視線も

最中に自分の名前を呼ぶ声も

安心し切って隣で眠る姿も






























だから俺は

スコールが嫌いだ。
















































2002.01.28




……皆様即刻「忘れ草」をご使用下さいませ。

とりあえずまあこんなもんですみませんすみませんごめんなさいごめんなさい(理性決壊)

2002年に書いたのを何とか修正してみました。加筆は無理でした(爆)
これは…友人との「サイスコエロ交換企画」で書いたものなのですが…。
友人よ。よくぞ私に書かせたものだなあ(他人事)
何だか不発でごめんなさい(スライディング土下座)
そしてあままうぶぶでもなくてごめんなさい(爆)

まあ、こうして老人になっていく私のサイスコなのでありました。



あの日の私にかんぱーい(完敗)
ざんぱーい。





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