"あのさぁ"















確信はあった。


相手が憎からず自分のことを思っていると言う、

そんな自惚れめいた確信が。











「よぉ、スコール。海行こうぜ、海」

「…何で」

「いーだろ。ガキん頃はお前が泣く度海まで連れてってやっただろ?」

「俺は泣いてない」

「へーへー。どうでもいいから行こうぜ」

「俺は仕事が」

「気晴らしだよ、気晴らし。別に仕事は逃げねぇからいいだろ?」

「何であんたと行かなきゃいけないんだよ、海…」


言葉に出して言ったことは一度もなかったし

言わなくてもお互い感じ取っているだろうと思っていたし。



「あのよぉ、スコール」

「…何だよ」

「あのなぁ」

「……だから、何だよ」

「とにかくな、俺はお前が好きなんだ」

「……は?」


それでも言葉に出したのは、

ただの勢いだったのかも知れないけど



「いいんだよ、とにかく俺はお前が好きなんだから俺の出来ることを言ってくれりゃいいんだよ。
 大概のことはやってやるよ。あ、空飛べとかは無理だけどな」

「…………あんた、何を言い出すかと思えば…」

「……言いたくなったんだよ」


ただ単に、言葉にせずにはいられないくらい

相手が好きになったからなのかもしれないけれど。



「で、今更それを言って俺達の関係をどうしたいんだ?」

「さぁな。考えてもいねぇよ」

「あのな、サイファー」

「あん?」

「友達でもいいし、恋人でもいい…間柄なんてのは後で誰かが決めればいい」


絶対に否定的な答えは返って来ないと言う

確信があったからかと思う。



「とにかく、俺もあんたが好きだから。あんたが笑っていてくれれば俺はそれでいいから」


言葉に出して

きちんと形をつけて。

それでもこの先自分と相手との形が変わることはないだろうし。



「海、行くか?」

「…仕事、終わったらな」















とにかく絶対変わらないものは


空ぐらいは飛んでみせるほどの

相手に向ける愛だろう、とか思う。























































2002.07.09



わぁー久々に文章書きました。…ってほど文章になっていなくてすいません…。
またしても歌ネタシリーズです。
この歌は結構ポピュラー(今までのに比べれば、ですが…)なのでドキドキです。
知っている方、すいません…(震)

一応会話部と独白部(?)は全然別モノを持ってきて組み合わせました。
無理矢理縫合手術。





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